労使トラブル110番
態度の悪い従業員にどう対応する?
Q
ある職員に対し、「挨拶をしても無視される」「高圧的な態度をとる」といった苦情が同僚から寄せられています。ただ、上司(私)にはそのような素振りは見せません。どうも自分より立場が下の職員に対して、上から目線の態度をとっているようです。実際に、その職員の態度が原因で新入職員が退職してしまいました。
本人に事実確認をしたところ「そんなことはしていない」「そんなつもりはない」とのことで、話がかみ合いません。どのように対応したらいいのでしょうか。改善が見られなければ退職してほしいところです。
A
【詳細の記録が必要】
態度の問題は抽象度が高く、主観のぶつかり合いになってしまう場合があります。まずは、記録や証拠をできるだけ細かく多く用意したほうがよいでしょう。
例えば・・・「〇月〇日〇時頃、○○さんが挨拶したが、顔を見ただけで、声を出さなかった。もう一度近くに寄って話しかけたが、今度は顔をあげることなく無視された」「〇月〇日〇時頃、○○の業務で不明点があり質問すると、『~~~』と言われた」など。
「高圧的な態度をとっているのか」と聞けば本人も「そんなつもりはない」と答えるかもしれませんが、上記のような具体的な事実を提示し、「このような報告があるが事実か」と問うことで、事実を認めさせやすくなるでしょう。
また、上司から注意や指導を行った場合は、その記録も残しておきます。
【就業規則上の処分を検討する】
本人が非を認めない、あるいは改善の兆しがない場合は、就業規則に照らして厳正に対処します。服務規律や懲戒規定に「職場の秩序を乱さないこと」「明るく挨拶を心がけること」「協力して業務を遂行すること」「ハラスメントを行わないこと」等の条項があるか確認しましょう。事実確認ができた事柄について、具体的にどの規定に違反するのか確認し、就業規則上の処分を検討します。
なお、もしも就業規則にそのような規定がない場合、これを機に内容を再検討し、就業規則を改定してもよいと思います。
また、部下や後輩への高圧的な態度については、パワーハラスメントに該当する可能性があるため、ハラスメント指針に基づいた調査も必要でしょう。
【改善に向けた指導】
注意・勧告を行う際は、単に叱責するのではなく、「いつまでに、どの行動を、どう改善するか」という具体的な改善計画を作成させることが必要です。それでも改善が見られない場合に初めて、次の段階の懲戒処分を検討します。こうした「段階を踏んだ指導記録」がないままに、感情的な理由でいきなり解雇することはできません。
【配置の見直しも検討する】
せっかくお金や手間をかけて誰かを採用しても、こうした職員の言動が原因で退職されてしまっては、非常に大きな損失となってしまいます。
本人の反省を促すとともに、実務上の措置として「新入職員の教育担当から外す」「物理的に距離を置く配置転換」などを検討し、これ以上の被害者を出さない環境づくりを優先するのも一つかと思います。
