労使トラブル110番
半日勤務の日の有給休暇取得の扱い
Q
月から金曜までの各日の勤務時間は7時間、土曜日は4時間勤務という就労形態です。土曜日に有給休暇を取得した場合は1日取得扱いとしていますが、従業員から「半日取得ではないか」という疑問が出ています。仮に時間単位で取得した場合は4時間取得となるのであれば、「年5日取得」という決まりとの関係でよくわからないのですが。
A
【半日勤務の日の有給取得の扱い】
まず有給休暇の取得単位は1日単位が原則です。半日単位で取得するというのは、あくまでも使用者が認めることができるというもので、労働者の権利として半日単位取得ができるというわけではありません。ちなみに、半日単位に関する通達では、「労働者の請求で使用者が任意に半日単位の年休を与えることは差し支えない」(昭和63.3.14基発150号)としています。
【時間単位年休のルール】
一方、時間単位の年休は、労働基準法改正によって定められた法律上の規定です(労働基準法第39条4項、労基則24条の4)。同時に、法律上定められたルールがあります。前提となるのは、労使協定の締結です。それがなければ、時間単位の年休は取得できません。
労使協定では、以下のことを定めなければなりません。
①時間単位の年休を与える労働者の範囲(時間単位の年休取得になじまない仕事をしている労働者があり得るため)
②時間単位の年休として与えうる年休の日数(5日以内に限る)
③上記(②)年休の日数について1日の時間数(1日の所定時間数を下回らないこと)
④1時間以外の時間(2時間など)を単位として年休を与えることとする場合にはその時間数
③の「1日の時間数」について、貴社の場合は、週の労働日数が6日間、労働時間数が39時間ですから、1日平均6.5時間ですので、それを「下回らない」こととされていますので、7時間とすべきということになります。つまり、年5日とは、時間単位年休は年35時間ということになります。
【日によって就労時間が違う場合】
パート職員などで、例えば月曜日は4時間、火曜日は6時間…などと日によって就労時間が違う場合があります。その場合の1日の就労時間の算定は、年間の平均就労時間を算定し、そこから1日の平均就労時間を算定することになります。平均の1日の就労時間数から、時間単位年休における「1日の時間数」、「年5日の時間数」が算出されます。こういうケースの時間単位年休のルールも踏まえてください。
以上の考え方から、土曜日の年休取得の仕方を判断してください。