年金相談の現場から

生活保護と年金受給との関係は?



Q
生活保護を受給しています。生活扶助費が少なく、生活自身がままならない状況です。うつ病を患っており、もし障害年金ももらえればと思っているのですが。



A

【生活扶助に年金額は加算してもらえるのか?】


 まず基本的なことですが、年金をもらえるようになったとしても年金額は「収入」とみなされ、生活扶助費はその分を控除した額が支給されます。「生活扶助+年金」が支給されるわけではありません。そうすると毎月の受取額は変わらないということになります。老齢年金も、遺族年金も同様に「収入」とみなされます。
 現在生活保護の生活扶助費の額は月約12万円(東京の場合)ぐらいと思います。障害基礎年金2級だと月額で約65,000円(1級だとその1.25倍)ですから、12万円から65,000円を引いた額、55,000円が生活扶助費として支給されるにすぎません。年金請求に要する労力や費用(医療機関からもらう診断書の費用)も考える必要があります。
 障害基礎年金だけでなく、障害厚生年金ももらう条件があるとすれば、厚生年金保険の被保険者期間やもらっていた給与額に基づく標準報酬月額によって違いますが、障害基礎年金と併せれば月額12万円を超える可能性が高く、そうすると生活保護の対象世帯ではないとなる可能性が高いでしょう。
 もちろん生活保護の扶助費には使途制限がありますが、年金受給額は何に使ってもいいという自由なお金となりますから、その分「楽」ではあります。
 まずその辺を前提に年金請求するかどうかを判断してください。


【年金が遡って支給されると返還を迫られることに注意】


 障害年金の請求には、認定日請求と事後請求(認定日には障害等級に該当しなかったが後に重症化した場合)とがあります。また、請求してから認定されるまで数ヵ月かかりますから、認定されたときには最初にある程度まとまった月数分が支給されることが多いです。認定日請求だと最大5年分遡ることがありますから数百万円が一度に支給されるわけです。
 問題はこの遡って支給された額と生活扶助費との関係です。この場合、遡及支給額分も、生活扶助費が余計に支払われたという扱いがされ、結局「返還」しなければなりません。


【国民年金保険料の法定免除の手続】


 生活扶助を受けている場合も、障害年金1・2級の場合も、国民年金保険料は法定免除となり、支払う必要はありません。ただし、法定免除だから自動的に免除扱いされるわけではありません。「国民年金保険料免除理由該当届」を年金事務所に提出する必要があります。それぞれ生活保護受給証・受給証明書、年金受給証明書を添付しての届出となります。
 この手続きをしないと、保険料未納扱いとされてしまいますので注意してください。


【生活の未来を検討しながら判断を】


 生活保護から抜け、就労によって生活する道が見えるならば、その準備の費用はある程度許されるとされています。現状のままの生活を前提に考えた場合と、抜け出す道筋が見えた段階とでは選択肢も変わってきますので、生活の未来を見据えて判断することが大事かと思います。  

※上記は、2022年1月時点の回答です。

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