年金相談の現場から

労災の後遺障害の対象か、障害年金の対象か?



Q
52歳の息子のことで相談があります。
2、3年前に仕事中に膝のケガをして治療を受け一定期間後に職場復帰したのですが、その後あまり調子が良くなく、大病院で診断してもらったところ半月板損傷と診断されました。

仕事を休み、リハビリと投薬を受け続けていたのですが、最近は、薬の副作用もあると思われ、うつ病を併発してしまいました。労災の後遺障害として認定を受けることは可能でしょうか。



A

【労災の後遺障害とは】


よく交通事故に遭った際、一時的に症状が治まったものの、のちにむち打ち症を患うケースがあります。この場合交通事故が労働災害として認定されていたならば、むち打ち症は労災の後遺障害として認定されます。
後遺障害補償は、障害の程度によって1級から14級までの等級があり、1級から7級までは障害補償年金として支給され、8級から14級の場合は障害補償一時金として支給されます。



もし最初のケガが労災として認定され、のちに半月板損傷を患ったということであれば、他に半月板損傷を患う特別の原因がない限り最初のケガが原因と思われますので、半月板損傷は後遺障害として認定されうると思います。

しかし、最近併発したうつ病に関しては、最初のケガとの因果関係の立証が難しいのではないでしょうか。まして薬の副作用だとするならば、よほどの投薬ミスがあったなどの医学的立証が求められます。


【うつ病も症状によっては障害年金の対象も】


仮に労災との因果関係が難しい場合でも、うつ病が重篤な症状である場合、障害年金の対象になり得ます。この場合、最初の半月板損傷が障害等級に該当しない程度の障害で、後発の障害(基準傷病と呼びます、この場合うつ病を指します)による障害が、最初の障害(半月板損傷)と併合して、はじめて障害等級に該当するとされる可能性もあります。但し、精神障害の判断は極めて難しく、統合失調症や高次脳機能障害、てんかんなどと違って、軽いうつ病程度では障害年金の受給は難しくなります。日常生活や就労にどの程度障害があるかの正確な判断が必要です。

もし認定された場合、うつ病の初診日が厚生年金に加入している期間であって、3級に該当すれば障害厚生年金の3級が、2級に該当すれば障害厚生年金の2級と障害基礎年金の2級の両方を受給できる可能性があります(厚生年金に未加入のときに初診日がある場合は障害厚生年金の対象とはなりません)。


【労災補償と障害年金の併給調整】


仮に労災の障害補償年金と厚生年金保険又は国民年金の障害年金との両方を受給できることとなった場合、社会保険の年金給付は全額支給され、労災の障害補償年金の方が一定額減額されます。その減額率は次のようになっています。
 


※上記は、2018年9月時点の回答です。

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