年金相談の現場から

病院の廃院等で初診日の証明をできないときの障害年金の請求



Q
現在62歳です。難聴により28歳の時に障害者手帳4級、57歳の時に障害者手帳3級になり、3級となった時点で障害年金の等級にも該当するレベルだと言われています。

初診日は、多分、50年以上前におたふく風邪の治療のためにトライマイシンを注射された日だと思います。
ところがトライマイシンを注射された病院はすでに廃院しており、初診日の証明ができないため障害年金の請求ができないと年金事務所から言われたのですが…。



A

【20歳前傷病による障害基礎年金とは】


50年以上前ということは20歳前の傷病による障害基礎年金の請求となります。

この年金は、20歳未満に初診日があるケースで、障害認定日は20歳に達した日又は(20歳の時点では障害等級1級・2級に該当しない場合)、65歳に達する日の前日までに1級・2級に該当した日となります。

問題はご相談のような医療機関の廃院やカルテの保存期間(5年)を経過してしまっている、診療記録も残っていない場合など、初診日を医師から証明してもらえない場合どうするかです。

平成27年9月28日付の厚労省の通知文書(「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取り扱いについて」)ではいくつかのやり方を示しています。

例えば、次のような方法を示しています。
① 第三者証明による方法(様々な要件が通知文書で示されています)
② 「一定の期間内にあると確認された場合」の方法
③診察券や健診日による証明の仕方など

ですから、年金事務所から「請求できない」と言われたとしても決してあきらめる必要はありません。


【「受診状況等証明書が添付できない申立書」】


実務的には、「受診状況等証明書が添付できない申立書」という書類に、添付できない事情を記入して提出することとなっています。

その際、身体障害者手帳や健康診断の記録などの参考資料があれば、そのコピーを添付することもできます。医療機関が証明してくれなくても、身体障害者手帳を交付してくれた市区町村役場には診察記録が保存されており、その写しをもらうこともできます。
なおこの申立書は年金機構のホームページからダウンロードすることができます。


【本人が思っている初診日が正しいとは限らない】


ただ気になるのは、あなたは50年前のおたふく風邪の治療時が初診日だと思われているようですが、本当の初診日は本人が思っている日と食い違っている場合もあります。

もしかしたら、障害者手帳4級を取得された28歳のときが初診日である可能性があります。そうだとすると、28歳のときの病院に初診日の証明書を書いてもらうか、それができなくても障害者手帳取得時の市区町村役場に当時の診断書が保存されているはずですから、その診断書の写しをもらって、初診日の証明に代えることもできると思います。

ご相談とは少し違う例ですが、発達障害による障害年金の取り扱いでは、通常発達障害は症状が幼少のころから生まれているケースが多いのですが、実際に医療機関に行ったのが20歳を過ぎている場合は、20歳前傷病による障害年金ではなく、20歳を過ぎてからの初診日を初診日とみなし、通常の障害年金の請求と扱うことができるという通達も出されていますので、留意してください。

※上記は、2018年7月時点の回答です。

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