時言
ホルムズ海峡
中東のペルシャ湾とアラビア海を結ぶホルムズ海峡は、世界の石油輸送にきわめて重要な場所だ。日量2,000万バレルが通過し、世界の石油の2割を占めるという。日本が輸入する石油の大半もここを通過する。
アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃によって、ホルムズ海峡が封鎖された。2月に通過した船舶は一日平均129隻だったのが、3,4月はわずか数隻と激減した。湾内には海峡を通過できない船が千隻以上滞留しているという。これによって石油と液化天然ガス(LNG)だけでなく、肥料、ヘリウムの価格も大きく上昇している。日本ではガソリン価格が上がり、ほとんどの産業に影響が出て、この間の物価高騰に追い打ちをかけている。
驚いたのは、医療へも大きな影響を及ぼしそうだということだ。マスク、手袋、注射器やカテーテル、点滴、防護服類など使い捨てできる医療用製品の多くは石油製品の一つであるナフサが原料だ。今後の品不足は医療現場にどんな影響をもたらすだろうか。
エネルギー自給率10%、食料自給率38%の日本の経済はとりわけ世界情勢に左右される。平和を守ることは経済を守ることでもある。アメリカともイランとも友好関係をもつ日本が果たす役割はとても大きい。
2026年4月