時言
生活保護費の減額取り消し判決
なんとも不可解なことになっている。最高裁が違法とした状態が放置されている。
2013~2015年に生活保護費が最大10%引き下げられた措置に対して、最高裁は6月、減額を取り消す国側敗訴の判決を出した。国が前例のない手法で、専門家にも諮らず決めたのは、裁量権の逸脱・濫用に当たると断じた。
最高裁判決が出た以上、国は原告に謝罪し、影響を受けた受給者全員に本来の額を遡って支払うのが筋であろう。保護費が減らされた受給者は200万人以上おり、総額は3000億円と見込まれているようだ。
生活保護の金額は、最低賃金や就学援助、医療・介護の保険料減免などの施策の基準となる。自民党の公約、意向が強く働いたと言われているが、一方で自民党がこの間の選挙で敗北した背景にある「裏金問題」を見ると、何とも言えない。原告は1000人を超えており、多くは高齢者である。
これ以上の解決の先送りは許されない。
2025年9月