時言
コメ不足に思う
1.しばらくスーパーにコメがない時期が続き、ようやく並び始めたと思ったら軒並み5キロ4千円台の高価格で、コメを手にできなくなっている。「そろそろ主食をパンに切り替えようか」という声もちらほら聞こえ始めた。
2.私はもともとコメ農家出身で、結婚した当初に「朝のパン食だけはやめてくれ」と妻に懇願したほど大のコメ好きで、いまでは、コメと納豆、漬物、みそ汁の発酵食品の毎朝である。産直でコメを仕入れているからコメ不足には直面しなかったけど、その産直ですら契約農家が突然撤退するということが起きている。
3.コメ不足は、猛暑続きとカメムシ被害がきっかけとなったが、根本的にはコメ農家がこの20年で6割減ったことが背景にある。1965年には500万戸の農家が、280万ヘクタールの収穫面積でコメ作りを行っていたが、いまでは100万戸を割り100万ヘクタールの収穫面積となっている。帝国データバンクによれば、コメ農家の倒産・廃業が進み、年間最多件数を更新している(2024年で42件)。肥料や農業薬剤がコストアップし就農者の高齢化、後継者不足が要因と指摘する。
4.長く続いた政府の減反政策とコメ輸入政策を切り替え、実効性ある経営支援策を打ち出さなければならない。備蓄米の放出で終わりとしてはいけない。 (鎌田)
2025年4月