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下請法改正の実効性を担保する


1.2025年3月11日、「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、現在開会中の通常国会に提出される運びとなっている。「近年の急激な労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を受け、発注者・受注者の対等な関係に基づき、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を定着させる『構造的な価格転嫁』の実現を図っていく」というのが法律案の趣旨のようだ。

2.法律案の概要をみると、①協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、②手形払を禁止する、③対象取引に、製造、販売等の目的物の引渡しに必要な運送の委託を追加する、④主務大臣による執行強化などを明記している。

3.しかし、建設業など多重下請構造下における下請業者たちは、「元受の意向に従わないと仕事が来なくなるのでは」という恐怖感が先立ち、意見はなかなか言えない。そうした中で、実態は単価たたき、違法な引き下げが強要されている。公正取引委員会が下請法違反で再発防止を勧告したのは、2023年度でわずか13件にとどまっている。改正下請法の実効性は、立ち入り検査等の権限をもった専任の下請検査官を増員しなければ担保されないだろう。





2025年3月

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