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名目GDP世界4位転落に思う


1.15日の内閣府発表によると、名目GDP(国内総生産)がドイツに抜かれ、世界4位に転落した。円安が原因という面もあるが、なんといっても日本の「稼ぐ力」の後退が大きな背景にあることは間違いない。

2.2023年10―12月期のGDP実質成長率はマイナス1.1%、年率換算でマイナス0.4%。7―9月期に続く2期連続マイナスだった。GDPの大半を占める民間消費支出はマイナス0.2%、家計最終消費支出は実質マイナス0.3%。雇用者報酬が実質でマイナス0.4%だったことが、消費支出後退の原因である。2023年の実質賃金は、前年比2.5%減となり、2年連続で減少した。23年の1世帯(2人以上)当たり月額消費支出も2.6%減少している。

3.日本は「賃金が上がらない国」となっている。1991年から2022年にかけて、実質賃金は、アメリカ1.48倍、イギリス1.46倍、フランス1.33倍、ドイツ1.30倍。それに比べ日本は1.03倍にとどまっている。とりわけ雇用者の7割を占める中小企業が賃上げできるかどうかがカギとなっている。ドイツでは世界で活躍する中小企業も少なくないという。

4.過去最高益のトヨタなど大企業の内部留保は、この10年間で180兆円積み増し、510兆円に達している。大企業の単価たたきで下請けは苦しい経営環境に立たされ賃上げ原資を確保できない。この状況を抜本的に変える、中小企業も賃上げできる原資を確保できる方向での政府の政策転換が必要である。





2024年2月

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