時言
本格的人口減少社会と企業の対応
1.厚生労働省が「人口減少社会への対応と人手不足の下での企業の人材確保に向けて~人材不足解消のカギは仕事と子育ての両立支援!~」を発表した。「日本の人口は、今後減少していくが、特に15~64歳人口の減少ペースが顕著」だという。2020年7,509万人(59.5%)だったが、2040年には6,213万人(55.1%)にまで減少すると予測する。
2.たしかにこれは「国の存続にかかわる問題」であり、「まさに時間との闘い」である。「出生率が2.07に回復しても、それ以降数十年にわたって維持される必要がある」。「若い世代がこどもを持つことを『経済的リスク』と考えるとともに、自分たちの思い描く人生を送れないという不安を抱いている」、「こうした状況を変えることが重要」であることはいうまでもない。
3.かつてドイツも少子化に悩む時期があったが、政府の抜本的対策で人口減少を食い止めつつある。政府は「企業の取組に期待」と言うが、ことは政府の施策とやる気だと思う。果たして未来戦略会議の方針は実効性があるのか問われるところだ。
4.そうはいっても企業としても座して見ているわけにはいかない。なにしろ人手不足が深刻なのである。学生の就業に関する調査では、「就職活動で企業を選択する際に意識したり、調べたりしていること」の1位は「残業や休日出勤の実態」(女性73.2%、男性65.7%)、2位「多様な働き方の制度(在宅勤務、フレックスタイム制など)」(女性57.7%、男性49.6%)が高位で、転職先に決定した理由も同様であった。
5.仕事と育児の両立に向けた対策は、一つひとつの企業から取り組まなければならない。
2023年12月