時言
ジャニーズ問題が問うこと
1.ジャニーズ性加害問題は、イギリスのBBCが3月に報じてから、国連人権理事会が問題にし、その後第三者委員会が見解を表明、そしてジャニーズ側が東山氏を新社長にする新体制を発表という経過をたどった。まずこの経過からして、世界が問題にして、ようやく動き始めるという、この問題に対する国際的な立ち遅れがわかる。
2.企業の中にはジャニーズの広告使用を取りやめるというところが出始めている。これ自身はジャニーズにとっては打撃ではあるだろうが、ジャニーズのメンバーにとってはどうだろう。もともとジャニーズに対してこの問題に対して見解、立場を問いただして、「これがやられないと起用しない」というならばいいのだが、いまの企業の態度は、あくまでも「今ジャニーズを起用したら企業イメージが悪くなる」というものでしかない。世界が問う「企業と人権」の概念とは違うように思う。
3.マスコミ界も、かつて(いまも)電通の批判を差し控えたのと同じように、巨大芸能事務所批判を差し控えてきたこと、この問題への批判も世界に先を越されたことへの反省もない。
4.とりあえず被害者への補償がどうされるのか、ジャニーズの対応を注目したい。
2023年9月