時言
小規模事業者の“息切れ破たん”の増加が問うもの
1.東京商工リサーチ社によると9月の新型コロナ関連の経営破たん(負債1,000万円以上)がこれまでの最多の160件に達した。集計対象外である1,000万円未満の小規模倒産を含めるとコロナ関連破たんは累計で2,165件となった。最多の飲食業、続くのは建設業、アパレル関連、飲食料品卸売業、宿泊業である。その中でも特に目立つのが従業員5人未満の小規模倒産が半数以上を占めていること。いわゆる“息切れ破たん”である。
2.新型コロナの会社業績への影響は、「マイナスの影響」が72.1%、「プラスの影響」5.0%、「影響なし」の17.8%(帝国データバンク)。世の中の会社の大半は打撃を受けている。
3.全国でフードバンクの取組があちこちで行われている。NPO法人「TENOHASI」が毎月2回東池袋公園で行う無料の弁当配布は、今年に入って並ぶ人が急増している。400食用意しわずか20分でなくなったという。かつての中高齢者中心ではなく、20代、30代の若者、女性も並んでいる。主催者は「液状化現象のように貧困層が表面に出てきた」と評す(10月18日朝日デジタル版)。
4.医者や専門家が警告するコロナの「第6波」が大規模に発生したら、多分取り返しがつかない事態になる。また「GO TO」だとかいろいろ言っているが、すべての前提はコロナ対策である。なぜ感染が下火となったいまのうちに医療機関対策や大規模な検査体制などの抜本策を打ち出さないのか、不思議でしょうがない。
2021年10月