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K字型経済の危うさ


1.米国経済がハイペースで回復している。1~3月期のGDPは年率換算で6.4%増だという。3月の宝石販売は前年同月比約2倍と、ルイヴィトンの売上高は順調である。金融資産を多く持つ富裕層が消費意欲を高める。一方、3月にアメリカで家賃を滞納している人々は約1000万世帯と借り手の約2割に上った。

2.翻って日本経済は1~3月期のGDPは年率換算で5.1%減。政府のコロナ対策の無策ぶりがアメリカ経済の「回復」と好対照だ。しかしアメリカと共通しているのは富の偏在。孫正義氏が長者番付のトップに躍り出て、資産総額は4兆8920億円。日本の富豪上位50人の資産総額は合計27兆円に上るという。一方、生活保護の申請件数は2月度で17,424件、前年比8.1%増、6ヵ月連続で前年よりも申請数が伸びている。

3.ローマ字の「K」のように、富の偏在がくっきりしている。業種別でも上昇傾向にある製造業の一方で、外食、宿泊、小売等の消費に頼るサービス業は低迷し、4K字型を描く。雇用形態でも正規雇用の雇用回復の一方で、非正規の就業者は激減している。それが、女性に大きな影響を与え、生活苦、自殺者増をもたらす。

4.バイデン政権は富裕層への増税も含め低所得者の底上げを打ち出した。日本政府も、休業要請とセットでの補償、助成金の縮小ではなく拡大の方向を打ち出し、再分配機能を果たしてもらいたい。




2021年5月

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