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過労死白書とエッセンシャルワーカーの長時間労働


1.10月30日に発表された「過労死等防止対策白書」によれば、過重労働にかかわる労災請求は2019年度全体で脳・心臓疾患が930件、統計を公表し始めた2000年度以来、2番目の多さ。精神障害は2060件と過去最多だった。警察庁の統計では仕事上の問題を原因とする自殺は07年度以降ほぼ毎年2000人を超えている。


2.なかでもライフラインにとって必要不可欠な仕事に従事しているエッセンシャルワーカーが異常な働き方を強いられている。白書によると、コロナ感染が急拡大した3~5月、「過労死ライン」とされる週80時間以上就業した人は運輸・郵便業と医療・福祉であわせて前年同期よりも2万人増えている。


3.働き方関連法は、残業に初めて罰則付きの上限を設けたが、その上限は「月100時間未満」「2~6ヵ月平均で月80時間」と過労死水準を容認している。終業と翌日の始業との間に一定の休息時間を確保する勤務間インターバル規制は、努力目標にとどまっている。コロナ禍の「第3波」が到来している中で、これ以上エッセンシャルワーカーの長時間労働が慢性化あるいは悪化することは、国民のライフラインの切断につながりかねない。





2020年11月

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