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大失業時代の予兆


1.今までの黒字リストラと違い、航空業界、自動車業界、百貨店などのリストラ計画は文字通り赤字リストラで、その規模はかつてない。9月14日時点で、上場企業60社が計1万100人の早期・希望退職を募集している(東京商工リサーチ社)。日経新聞の調査によると、2021年春の大卒内定者は、2020年春入社数と比べると11.4%減った(10月19日付)。

2.2008年からのリーマン・ショックは、金融経済が悪化し、製造大企業に波及する、いわゆる川上産業への打撃だった。今回はまず個人消費が減り、川下作業がすでに大打撃を受けている。吉祥寺という街だけで300店舗が休廃業したという。休廃業のペースは予測を越え、年間5万3,000件を超すペースだという(東京商工リサーチ)。国内の中小企業数は約358万社、「廃業を検討する可能性がある」と答えたのは8.8%。優に30万社を超える。

3.新しい働き方としてテレワークがしきりに喧伝される。実施率は3割近くにのぼり、たしかにテレワーク労働者の休業率は低い。しかし、テレワークは、大企業の従業員や正社員を中心に実施されており、多くの中小零細企業にとってはあまり縁がない。まして女性労働者にとってテレワーク効果は限定的で、むしろ食事作りなどの家事負担が増し、子育て負担が増加している。宿泊・飲食、生活・娯楽等のサービス業が壊滅的ダメージを受けており、そこに働くことの多い女性労働者の雇用は減り、休業率は高止まりしている。

4.政府は雇用調整助成金の特例措置を12月までとしている。再延長しないとリストラの急加速が予測される。




2020年10月

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