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増える過労死


令和元年度「過労死等の労災補償状況」(6月26日発表)によれば、①脳・心臓疾患に関する労災補償状況では、請求件数936件(前年度比59件増)、支給決定件数216件(同22件減)、うち死亡件数は86件(4件増)、②精神障害に関する労災補償状況では、請求件数2,026件(同240件増)、支給決定件数509件(同44件増)、うち未遂を含む自殺件数88件(同12件増)であった。

とりわけ増え続けているのが精神障害に関する労災補償件数である。請求件数、支給決定件数、自殺件数すべての指標で増加している。請求件数を業種別にみると、「医療・福祉」426件、「製造業」352件、「卸売業、小売業」279件の順に多い。出来事別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」がやはり最も多い。この点は、「個別労働紛争解決制度の施行状況」(詳細は本号ニュース2面「トピックス」欄参照)でも民事上の個別紛争の断然トップが「いじめ・嫌がらせ」であることと共通している。

パワーハラスメント防止対策が法制化されたことに伴い、6月から精神障害の労災認定の基準にパワーハラスメントが付け加えられた。法制化によりパワーハラスメントが減少し、それに伴って来年度の精神障害の労災補償も減少していけばいいのだが。




2020年7月

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