時言
新型コロナが雇用に与えた影響
1.日経新聞4月20日付朝刊は、1面で「雇用維持 瀬戸際の攻防」と題して、欧米諸国と日本の雇用維持対策の違いを指摘した。
アメリカは中小企業の人件費の2.5ヵ月分の賃金を数十万社対象に補助する。ドイツは操業時間を短縮した企業の賃金減少分を助成する。いずれもそのまま既に支給されている。
一方、日本は雇用調整助成金制度の使いにくさからいまだ支給決定は3件にとどまっている。「本気度が問われている」。
2.それでも雇用調整助成金は、従来と違い大幅に要件が緩和された。申請書類も減り、雇用保険被保険者以外も対象となり、助成率も解雇等を伴わない中小企業に対しては支払った休業手当の9割まで助成される(上限額あり)。あるタクシー会社の全員解雇が話題になり争いにもなっている。いま経営者はコロナ後を見据えた雇用維持で頑張らないと、人手不足時代の中でコロナ後に労働者は戻ってこない。
3.新型コロナウイルスは日本の雇用に思わぬ形での影響を与えた。その中にはコロナ後も生かせる諸施策がある。いままで進まなかったテレワークが在宅勤務という形で一気に進んだ。わが事務所も全員ノートパソコンを持てるようにし、事務所に来たメールが自宅で見られるようにした。小学校休業等対応助成金はフリーランスも対象としている。いわゆる「雇用類似の働き方」にどう補償するのかというテーマへの一つの解でもある。コロナ後に生かせる対策はその後も生かしたいものである。
2020年4月