時言

「万引き家族」から「パラサイト 半地下の家族」へ


1.今回のカンヌ国際映画祭のパルム・ドールは韓国の映画「パラサイト 半地下の家族」だった(その後米国アカデミーの作品賞まで取った)。
前回のカンヌパルム・ドールは是枝監督の「万引き家族」。2つの作品が共通して描いたのは格差社会。

2.韓国の格差社会の象徴は、世界最下位の合計特殊出生率0.98に端的に表れている。
韓国の若者たちは異常な就職難(大学卒業生の就職率6割台)、異常な自殺率(OECD加盟国中最高)、異常な未婚率(2015年の30代男性未婚率44.3%)の下に置かれ、多くは恋愛、結婚、出産、夢をあきらめているという。
中年世代もリストラに怯え、高齢者は貧困率46%(2015年)。若者の自殺率は、OECD加盟国中最高という状況。これらの貧困が世代間連鎖となっている。
映画「パラサイト」が描いた韓国社会の実情は、元東京新聞ソウル支局長(現フリージャーナリスト)の金敬哲氏の著書『韓国 行き過ぎた資本主義~「無限競争社会」の苦悩』(講談社現代新書)が詳しい。

3.翻って「万引き家族」が描いた日本社会の実情は、韓国社会と本質的に違いがないように思える。合計特殊出世率1.43は上向くのか、下がり続けるのか?



2020年2月

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