時言
“稚拙”と“驕り”が破綻への道か~セブンの残業代未払い
一体セブン本部は何をやっているのか、顧問弁護士や顧問社労士もいるだろうに。
セブンの残業代未払い問題である。
9月に労働基準監督署から受けた是正勧告により発覚した残業代未払いは、セブン本部が把握している対象者(30,450人)だけで4億9000万円、1970年代からの未払い総額だと数十億円規模と指摘されている。
何が稚拙なのかというと、残業代計算式のミスである。ミスとは、一つは、精勤手当と職責手当という月額で支給される手当を残業代の基礎に入れていなかったこと、もう一つは、割増率が「1.25」ではなく「0.25」で計算していたこと。
通常では考えられない初歩的なミスである。
しかも、過去何回か指摘された是正勧告が公にされず、次の経営者にも引き継がれないままとなっていたため、永松社長の記者会見も歯切れが悪い。
何が驕りなのかというと、その処理である。建前上は「過去にさかのぼって支払う」と言いながら、給与明細の提示を条件としていることである。
だいたい昔の明細を持っている元従業員などほとんどいない。過去の給与振り込みの通帳を提示して断られた例もあるという。
セブンはこの間、24時間営業の見直しをオーナー達から迫られてきた。最近は、おでんなどを本部社員がオーナーに無断で発注していたことが問題になっている。
オーナーの心が離れ、アルバイト達も「セブンでは働きたくない」という流れが生まれざるを得ないだろう。巨像も破綻の道を歩むのか?
2019年12月