時言
新しいタイプの五月病
10連休と長かった今年のGW。連休の後には「五月病」にかかる若手社員が増えている。
もともと「五月病」とは進学や就職などの変化に対応できないことで起きると言われている。
正式な病名ではないが、無気力など心身の不調が伴う。
いままで人間関係が悩みの主な理由だった五月病だが、新聞報道によると、最近は「仕事の質」への不満から「こんなはずじゃなかった」と悩むケースが多くなってきた。
連休中に友人と会う機会が増えた今年は、頑張っている友人の話を聞くにつれ、自らを振り返って落ち込む機会が多かったようだ。
「雑用ばかりでやりたいことをやるには数年先」、即戦力と扱われない現実に直面して物足りなさを感じるという。
一方、超売り手市場という就職事情もあって、現実からの逃避ではなく理想に向かう近道として転職を選ぶ人も増えている。
そのための中途採用専門のキャンペーンを行う転職専門の紹介企業も増えている。
こうした新たな動向に会社の側も手をこまねいているわけにいかない。
日本の企業が高度成長時代のような人材研修に力を注がなくなったと言われて久しい。
新入社員に必要な知識、技術を身に着けさせる研修を数カ月かけて行うサイクルを再確立する必要がある。
同時に、最近の若者の動向からも、1年後、3年後、5年後などを見据えた仕事と成長のイメージを持たせることも大事な研修の要素である。
2019年5月