時言

新たな賃上げの特徴


1.今年の春闘はいままでにない傾向が生まれた。
一つは、賃上げ率が大企業よりも中小企業の方が高いという傾向が生まれたこと、もう一つは、正職員よりもパート等に対する賃上げ率が高くなったこと。
いずれも中小企業や、パート労力に頼らざるを得ない業種が、人手不足を何とかしたいという動機が感じられる。

2.厚労省の「賃金制度に関するアンケート調査」(1,056社)でも、「企業が賃金制度導入・改定するメリット」について、「人材確保」(1位)、「従業員の定着率向上」(2位)があげられている。

3.一方、日経新聞(3月19日付)は、日本の賃金が「時給、20年間で9%下落」した結果、賃金水準が「主要国で唯一のマイナス」「世界に劣後」していると大きく報じた。
OECDの調査によれば、1997年から2017年の20年間に、日本が9%下落の一方、イギリス87%プラス、アメリカ76%プラス、韓国は実に2.5倍。
「低賃金を温存するから生産性の低い仕事の効率化が進まない。付加価値の高い仕事への転換も遅れ、賃金が上がらない」という「貧者のサイクル」に陥っているという指摘だ。

4.いくつかの業界では大幅賃上げで事業を拡大する好循環を作り出そうという企業が生まれつつある。
働き手の意欲を高め、優れた人材を引き付ける賃金の変革を図るというものだ。

「貧者のサイクル」から脱出しなければ、日本経済も個々の企業も立ち行かなくなっている。  


2019年3月

時言 労使トラブル 年金相談

ハラスメント



ACCESS

〒169-0075
東京都新宿区高田馬場2-14-2
新陽ビル507号室
TEL 03-6280-3925
>>お問い合わせフォーム
>>詳しいアクセス情報

ページTOPへ