時言
ノーベル平和賞と男女平等ランキング110位の日本
1.今年のノーベル平和賞は、性暴力と闘う2人の活動家に授与された。
1人はイラクの少数派ヤジディ教徒で、テロ組織ISISによる性暴力の被害者でもあるナディア・ムラド。
もう1人はコンゴで、被害女性の治療と支援に取り組む医師デニ・ムクウェゲ。
ノーベル賞委員会の委員長(ベリット・レイスアンデルセン)は、今回の受賞者と#MeToo運動の関連を
「重要なのは女性の苦しみや性的虐待に目を向けること。その意味では両者には共通点がある」と述べた。
2.世界経済フォーラムは、12月8日、各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダー・ギャップ報告書2018」を発表した。
ジェンダー格差が少ない1位から5位までは、アイスランド、ノルウエー、スウエーデン、フィンランド、ニカラグア。フランス12位、ドイツ14位、イギリス15位、カナダ16位、アメリカ51位、イタリア70位。
日本はG7の中で圧倒的に最下位の110位(全149カ国中)。
中国は103位で日本より上。韓国がようやく日本より下位の115位だった。
何が日本の順位をここまで下げているのか。
読み書き能力や初・中等教育、出生率の分野では男女に不平等は認められていない。
100位以下の指標となったのが、労働所得、政治家・経営管理職、教授・専門職、高等教育(大学・大学院)、国会議員数。
その中でも国会議員数は世界130位。
3.女性の就労者の5割以上が非正規労働者である現状、著名大学の医学部入試における女性差別、性的被害者の女性へのバッシング…。
たしかに日本は遅れている。
女性経営者が1割を超える企業は、営業利益率が全上場企業平均より高いという統計が発表されている(日経新聞調査)。
われわれ自身が、経営者自らが、常識のズレを正す必要がある。
2018年12月