時言
年金機構の不祥事が止まらない
日本年金機構の不祥事が止まらない。
2015年、「不正アクセス事件」で125万件の個人情報が漏れた事件が記憶に新しいところ、今度は個人情報500万人分が委託業者経由で中国業者に流出するという事件が発覚した。
前回は情報管理に関する知識をあまり持ち合わせていない非正規職員の不用意なメール開封が原因だった。
今回は、年金機構が結んだ委託業者が、中国業者に再委託していたことが判明した事件。一体、委託業者との契約と再委託に対するチェック体制はどうなっていたのだろうか。
年金支給をめぐる支給漏れも相次いでいる。
昨年秋、10万人、約600億円の、主に退職共済年金受給者の配偶者に支給されるはずの振替加算が支給漏れとなっていた事件が発覚した。
公務員が加入する共済組合と厚生年金保険との統合に際してのデータ入力ミスが背景にあるようだ。
今春、年金受給者の所得控除をめぐって、130万人分が所得控除されず大問題になった。
年金受給者向けの「扶養親族等控除申告書」の様式を従来のハガキ形式から、マイナンバー記入等の必要から封書形式にいきなり変更して気付かないまま提出しなかった人が多く、その結果、年金額が減らされて支給されたため初めて気付いた人が多数出たという情けない話である。これに加えて年金受給者のデータ入力ミスも31万8千人分あったという。
平成30年3月から日本年金機構への届出書類の書式が変わった。
マイナンバー欄が追加されたためである。
安心してマイナンバーを年金機構に提出してもいいと思う人がいるのだろうか。
年金機構の職員の半数以上は非正規雇用(有期雇用)で、しかも業務に慣れたころ雇止めするという。無期転換権も行使できないような短期雇用、雇止めの雇用形態をとっている。
一方で、現場の企業にはマイナンバー管理を厳格に求め、非正規雇用の無期転換権行使の厳格適用を求めながらである。
2018年3月