時言
SMAP、のん…フリーランスに公取委が初めてメス
芸能事務所からの独立や移籍をめぐるトラブルは繰り返されてきた。
SMAPやのん(本名:能年玲奈)さんのケースが最近では大きな関心を集めた。
いまや個人で仕事を請け負うフリーランスは一千万人を超えている。彼らは雇用関係と違って発注者との交渉力が弱い。
この間、公正取引委員会はフリーランスを対象としたWEB調査と、業界団体からの聞き取り調査を行ってきた。
それによると、
〇フリーランスで働く者の6割以上が、企業から報酬額などの取引条件を事前に示されなかったり、支払いが大幅に遅れたりするといった不当な扱いを受けたことがあると回答。
〇芸能関係者から芸能人が所属事務所の移籍を希望しているのに、事務所の判断だけで契約を更新させられたとか、移籍を制限するために報酬の支払いを遅らせたり芸名を使用させなかったりする妨害が行われている。
〇ラグビーのトップリーグには、他チームに移籍した選手は、前の所属チームの承諾書がなければ公式戦に1年間出られないという規約がある。
こうした実態を踏まえて、公正取引委員会は、2月15日、企業側が優位な立場を利用して自由な働き方を妨げるもので、独占禁止法上問題となる可能性が高いという見解を発表し、今後、企業側に改善を働きかけていくとした。
芸能事務所などが加盟する日本音楽事業者協会は、同日、加盟社に示しているタレントとの契約書のひな型で、囲い込みにつながる内容などがあり見直すと発表。日本ラグビー協会も規約の見直しを検討すると表明した。
公取委が動き出したこともあり、厚労省もフリーランスへの労働法の適用を検討すると言い始めた。
政府が兼業・副業をしきりに勧めるもと、今後一層フリーランスが増えることが予想される。彼らをどう保護対象としていくのか課題となっている。
2018年2月