時言

「人手不足」がすべての中小企業を覆い始める

1.日本商工会議所が、今年の4、5月にかけて、中小企業4,702社を対象に訪問調査した「人手不足等への対応に関する調査」集計結果が発表された(6月29日)。
グラフにあるように55%の企業が「不足している」と回答した。

「不足している」と回答した企業の割合を業種別にみると、宿泊・飲食業79.8%、介護・看護77.5%、運輸業72.3%、建設業63.3%、その他サービス業59.6%、情報通信・情報サービス業59.6%、卸売・小売業49.9%、製造業49.7%、金融・保険・不動産業44.9%、その他40.4%という順。
人手不足が深刻な業界の実態がわかる。

2.厚生労働省が2014年2月に発表した「雇用政策研究会報告」によれば、現在(当時)6,720万人の就業者数が2030年には5,449万人、821万人減少するという。
単純に計算すれば、毎年50万人余の就労者数が減ることになる。
やがてすべての業種、しかもまず中小企業から人手不足が深刻となる時代が十分予測できる。

労働力をどこから調達するのか?
もちろん外国人もある。同時に、比較的就労率の低い若者、女性、高齢者に目を付けざるを得ないのは当然だろう。
政府が「1憶総活躍社会」とか女性・高齢者の「活躍」を叫ぶ背景も根本はここにある。
最近は年金の支給開始年齢を75歳まで引き上げるというとんでもない話まで飛び出している。

3.少子化問題の解決は政治の責任に属する。
それももどかしいのが現状で、企業側もそれを座して待っているわけにもいかない。
各企業にも働き方をどう改革するのかが問われ始めている。
それぞれの企業にとっての働きがいはどこにあるのか、働きやすさをどう作っていくのか、真剣に検討し始めなければならない。

2016年7月

時言 労使トラブル 年金相談

ハラスメント



ACCESS

〒169-0075
東京都新宿区高田馬場2-14-2
新陽ビル507号室
TEL 03-6280-3925
>>お問い合わせフォーム
>>詳しいアクセス情報

ページTOPへ